27日目 ザ・リバー


今日は、川に来てみました。
川です。
生物の宝庫・・・川です。
長靴まで用意しております。
なぜなら、川に入るからです。
小型の網もあります。
小型バケツもあるのです。
準備万端です。
ジャブ、ジャブ!
いざ、出陣です。
!!!!
早速、来ました!
「おいちゃん、なんしよん!」
くそガキの登場です。
「ナメクジを取っているのさ!」
などと言えるはずも無く、
「さ、魚!」
と言ってしまいました。
「うそ!魚がおる?うそ、すげぇー!」
と騒いだわりには、とっとと自転車で去って行きました。
ぼくは、ナメクジを捕まえるために、がんばります。
小さな魚がいます。
カダヤシだな!
カダヤシとは、蚊を絶やすという意味です。
ボウフラを喰らうのです。
見た目はメダカです。
メダカかもしれません。
でも、ぼくは、カダヤシというのを知っていたので、
そう思いたいのです。
なぜなら、ぼくは、魚にくわしいからです。
グッピーを1週間足らずで全滅させる実力の持ち主なのです。
その水槽に、今、ヘルメットがいるのです。
そうです。
待っているのです。
友を・・・

「こっち!こっち!」
「ほら、あそこ!」
「さかな、取りよる!」

大変なことになりました。
さっきのガキが、人を連れて来ました。
5人連れて来ました。
「お!ほんと、ほんと!」
「撮れ!撮れ!」
中学生が、ビデオカメラを回します。

な、なに!?
なんで、ビデオカメラ!?
おれは今、撮られているのか!?
なぜ!?
なんのために!?

疑問と不安の中、魚を取るふりをやり続けます。
そう、おれは今、魚を取っているのさ!
ナメクジなんて取っていないのさ!
魚を取っているのさ!
はっ!はっ!はっ!

「あんた、何しよんな?」
今度はおばちゃんの登場です。
「こんな川、入っとったら、破傷風になるが・・・」
「う、うそ!汚ったねー!」
「おっさん、汚ったねー!」
「ワー!ワー!」
ガキども大騒ぎです。
「破傷風や!破傷風や!」
「ねぇ、はしょうふうって何?」
などと言いながら、みんな去って行きました。
ぼくも帰りました。
この苦労は一体なんだったんでしょうか?