51日目 ケース


只今、ホームセンターに来ております。
ボクが、なにをしているのかというと、ケースを探しているのです。
このケースにヘルメットとベルを入れるのです。
そうすると、どこでも持ち運べることになるのです。

「持ち運んで、どうすんのよ?」
とか言うな!
いろいろ連れてまわるのさ!
犬だってケースに入れてるじゃない!
などと言ってもはじまりません。

とりあえずケースを探します。
ケースといっても決まりがあるのです。
決まりとは、ボクが決めたものです。
だから絶対なのです。
その通りにならないと、はがいいのです。
だから絶対なのです。

ケースが見つからないので、ボクは店員さんを探します。
見つけました。
釘の陳列の所で、釘を並べている店員さんです。
ちょっと、小太りの店員さんです。

「すみません」
とボクが声をかけます。
「はい」
店員さんは、手を止めこっちを向きます。
ボクは言います。

「アクリル、(ココ大事なので強調して、もっかい言う)
 アクリルのケースありますか?」
「ないです」
「!!!」

ボクは、あまりの即答に度肝を抜きました。
無いならないで、ちょっとぐらい探すふりをして、
「あ~今、品切れですね~」
ぐらいの言い訳を聞きたかったのに、

「ないです」

だ!
ふざけるんじゃないよ!
と怒っても無いものは仕方がありません。
だからボクはすぐに気持ちを切り替えます。
ちょっと大きめの文房具屋に向かいます。
あそこならあるかもしれません。
と、思ったその時、
ふと、目に飛び込んで来たもの。

『アクリル・ケース』

です。
アクリル・ケースがなぜか、
ホースのコーナーに置いてあるのです。

(へっ、なめやがって・・・あるじゃねぇか・・)

ボクはさっきの店員さんに見せ付けてあげようかと思いましたが、
あんまり大人げないことはよそうとレジに向かいます。

すると、さっきのちょっと小太りの店員さんが、
レジを打っています。
(あの野郎・・)
ボクは、勝ち誇った笑みで、
アクリル・ケースをレジの前に出します。
そしてボクは、勝ち誇った笑みで、
「ありました、アクリル・ケース」
といいました。

「は?」

ボクは愕然とします。
ちょっと小太りの店員さんのこの、すっとぼけた顔に
ボクは愕然とします。

「い、いや、アクリル・ケースです。あったんです。」
ボクは再び挑戦します。

「は?」

ダブルパンチです。
ちょっと小太りの店員さんは、
意味不明の顔をして何事もなかったように、
レジを打っています。
ボクがあまりのその態度におののいていると、

走り抜けました。

ちょっと小太りの店員さんが、
レジを打っているちょっと小太りの店員さんの後ろを
走り抜けました。

「!!!」

双子です。