72日目 泳戯


透明ホースを切り売りで2メートル買いました。
ホースの口をライターであぶります。
ボクは煙を吸い込まないように顔をそむけます。
なぜならダイオキシンの混ざった黒い煙だからです。
ドロリ
とホースが溶けてきたところをペンチでつまみます。
そして水かけます。
これで透明ホースの口は接着されました。
このホースの中に、ヘルメットとベルを入れます。
接着されていない反対の口を水道の蛇口にねじ込みます。
水だします。
ホースがぐんぐん膨らみはじめます。
いいぞーいいぞー、
その調子だー
ボクはぐるんぐるん蛇口をひねります。
にぅゅー
とホースが蛇口から外れようとしますが、
ボクは押さえつけ逃がしません。
そろそろ限界に近づいてきたようなので、水を止めます。
ボクはまだ、ホースを押さえつけてますよ。
2倍ぐらいに膨らんだホースの中ほどをヘルメットとベルが、
ゆっくりと、それでいて優雅に泳いでいます。
空を見上げると眩しい太陽が合図を出します。
「さぁ、やれ」
と。
ボクは押さえてるホースを離しました。
ブシュゥゥゥー
2メートルの蛇がぐにゃぐにゃになりながら、
もの凄いスピードで地を這います。
後に筋道を残しながら。
それはまるでナメクジが這って残る跡のようにも見えました。
ホースは10メートルぐらい吹っ飛んで動きを止めました。
5メートルぐらいのところに
ヘルメットとベルがローリングしています。
ボクはゆっくりと空を見上げます。
眩しい太陽がささやきました。
「よし、よくやった・・・」
と。