86日目 絶望の果て


あれから探しましたよ。
新聞。
冷凍カタツムリの記事が載ってる新聞。
無いね。
捨てたね。
真相は闇の中よ。
とか思いながら水槽を覗きました。
あんな記事、読まなければよかった。
カタツムリとナメクジはほとんど生態が同じだと聞きました。
背中の殻があるだけだと。
家庭の装置ではこの壮大なプロジェクトは、
不可能だったのです。
研究施設での本格的な装置が必要だったのです。
素人のあさはかな考えだったのです。
ボクは殺しました。
そこには後悔しかありません。
水槽の中にあるのは後悔だけです。
ボクは、必死に悔しさを、
!!!!
!?

いない?
ヘルメットは?
ヘルメットの姿が見当たりません。
「バカ!早く探せ!」
おお!
探すぞ!
ボクは探しました。
ベルがいつも通りにうずくまっているのを確認して、
葉っぱや土の中を丹念に探します。
もしかして・・・
それはわずかな希望かもしれません。
ヘルメットは干からびて小さくなり、
わからなくなっているのかもしれません。
だけど、
だけど・・・

そしてボクは、
小さく、
微笑みました。
水槽の角で首をかしげています。
丸くなって首をかしげています。
何事もなかったかのように・・・

おかえり、
ヘルメット。
そしてボクは思いました。
次は1ヶ月に挑戦だ!