87日目 台風の影響


なんか寒くなってきました。
秋です。
空気も乾燥してきたのか、
バリバリです。
唇、
バリバリです。
意味もなく笑ったりすると、
切れて血が出ます。
だから空気が乾燥する秋から冬にかけてボクは、
無表情を決め込みます。
とか思いながらヘルメットとベルを見つめます。
「これからは乾燥との戦いだな」
などと言いながらホウレン草をあげました。
ホウレン草です。
高級食材です。
台風の影響で野菜がバカ高くなったのです。
今までは一袋158円だったのが、
一袋298円です。
ほぼ2倍です。
にもかかわらず、ボクは、
惜しげもなくホウレン草を与えます。
「ケッ、ひとかけらじゃねぇかよ」
とか言いなさんな。
今、日本の台所がピンチなんですから。
!!!
無視した!
高級食材であるホウレン草を
無視こきやがった!
ヘルメットとベルは、ホウレン草に、
見向きもしません。
というより、
ホウレン草の上に乗っていたにもかかわらず、
まるで土の上をいつものように移動するかのように、
通過しました。
気ままにのんびり散歩です。
ぅぬぬ!
なにが、「気ままにのんびり散歩です」
だ!
ゆるさんゾ!
ボクはゆるしませんよ!
ヘルメットとベルを高級食材であるホウレン草の上に
戻します。
食べるまで戻します。
ボクは戻し続けます。
何度でも。
とか心に誓ってヘルメットとベルを見つめます。
動きを監視します。
ホウレン草が乾燥して、
ちょっとパリパリだからダメなのでしょうか?
新鮮でないと食べないのでしょうか?
そして、ボクの唇もパリパリになってますよ。
ボクは逆立った唇の皮を指で剥きながら監視を続けます。
さぁ、喰えよ。
腹いっぱい、喰えよ。
なんと言っても高級食材の、
ふぅおッ!!
ぅおっ!!
喰った!
オレが喰った!
あれだけ
「ナメクジは食べると脳にばい菌が入って死ぬのです」
などと言ってた、このオレが!
喰った!
素手で扱いまわした手で唇の皮を剥く
という行動に出たのが間違いです。
ホウレン草を食べさせるために
必死になったのがいけませんでした。
「ん?しょっぱい・・・」
というところで気づかなかったのがよくなかったのです。
飲み込みましたよ。
指についたナメクジの粘液。
これから、この粘液の中にあるバイ菌がボクの脳を
襲うのです。
そしてボクは思いました。
そろそろストーブ出すか。