88日目 温度差


お昼は暑いのに、夜は寒いです。
そんな季節がやってきました。
今は夜です。
ジャンバーを着ています。
そこまで寒くはないのですが、
ボクは大げさなので、ジャンバーを着こなします。
そんな寒さの中に、ヘルメットとベルを
置きっぱなしには出来ません。
なぜなら、寝てしまうからです。
眠るのです。
ナメクジは冬眠するのです。
だからボクは暖かくします。
いつまでも常夏を演出するのです。
そうすることでヘルメットとベルの感覚を
麻痺させるわけです。
すると、オールシーズン・ナメクジの誕生です。
ナメクジの常識を覆すんですね。
いっつも暖かいようにするために、
ボクはグッピーを全滅させた時に使っていたヒーターを
持ち出して来ましたよ。
これを使います。
これだと、温度調節が出来るサーモスタットがついているので
安心だからです。
24度です。
設定温度は24度です。
なぜなら温度調節のネジが固まって動かないからです。
グッピーの時の状態をキープです。
ヒーターを水槽の角に置きます。
コンセントを入れます。
オレンジのランプがサーモスタットに点灯しました。
なんだか、あったかいような気がしますよ。
成功です。
これで冬眠しないナメクジの成功ですよ。
2分ほど経過したところで、
白いヒーターの表面が早送りをしたかのように
黒焦げになりました。
立て続けに、鼻を突く臭いとともに煙まで噴射。
慌てる男。
「ピチッ!」
という破裂音。
恐怖。
錯乱。
そして、
たたずむ男。
・・・・。
ボクは引き抜いたコンセントを持って
呆然と水槽を見つめます。
そこには無残にも破裂した黒焦げヒーターが、
やすらかに眠っていました。
両端のゴムが溶けて石油の臭いがしています。
このヒーターは水の中で使うものだったんですね。
空気中じゃ使えないんですね。
ボクは引き抜いたコンセントを持って、
ゆっくりと夜空を見上げます。
今夜の月は、
とってもきれいです。