93日目 研究 2


ボクは今、屋根裏に上がっております。
換気する窓など無いので、とても暑いです。
外は寒いのに、ここは暑いです。
しかもムシムシしております。
サウナみたいです。
ボクはヘルメットとベルの年齢を知るために
顕微鏡を探します。
顕微鏡はボクが小学校3年生の時に、
デパートで、泣き叫んで買ってもらったものです。
泣き叫んだわりに、
「つば」とか「フケ」を見ただけで、
全然使っていないのです。
とてもバカなことをしたと思っております。
その顕微鏡を探すのです。
ところがこの屋根裏は、
あまりにゴミ同然のものが多すぎて、
どこにあるのか全くわかりません。
オーロラのように曲がった
「ドラえもんの2巻」
が出てきました。
ちょっと読んでみると、とっても面白かったので
後でゆっくり読もうと思います。
ボクは屋根裏の入り口に、
オーロラのように曲がった
「ドラえもんの2巻」
を置きます。
そしてボクは再び、顕微鏡を探します。
なんかもう、ヘビが穴に入るような感じですよ。
服はホコリで真っ白です。
袖がちょっと破れたりしてますよ。
でもボクは探します。
ゴミの中に、もぐり込むのです。
そして見つけました。
ブルーワーカーX5 」です。
これで体を鍛えていたころを思い出しました。
逆三角形のボディに憧れ、おとし玉で買ったのです。
中学2年の夏でした。
・・・・。
ボクは、ちょっとやってみようと思います。
このゴミの隙間の中で、
ブルーワーカーX5
をやってみるのです。
ボクは両端についているヒモを両手でグリグリ引っ張ります。
真ん中の棒がググッと縮みます。
「へっ、まだまだいけるじゃねぇか」
ボクはゴミの隙間の中で、
エビのように体を曲げて引っ張り続けます。
ブルーワーカーX5 を。
ボクは、両手がブルブル震えるまで引っ張っていますよ。
「バチィッ!」
炸裂音。
「ゴキィ!」
激突音。
「はぁぅ!」
悲鳴。
そして周囲のゴミの崩れる音。
・・・・。
ブルーワーカーX5
の両端についているヒモが切れて中心の棒が、
ボクのアゴを直撃したのです。
そしてボクは優雅に舞いました。
屋根裏で・・・
ゴミの中を・・・
ボクは今、アゴにシップを貼って
「ドラえもんの2巻」を読んでいます。