96日目 底敷


ボクは今、自転車でホームセンターに向かっております。
水槽の下に敷く底を求めておるのです。
ふと見ると先月まであったパン屋さんがつぶれていました。
ボクは挙動不審に辺りを見回します。
誰もいません。
ボクは自転車を降ります。
「立ち入り禁止」
のロープをくぐります。
なぜならボクは、
水槽の下に敷く底を求めているからです。
ボクは薄暗くなって気味の悪い、
つぶれたパン屋さんに入ります。
建物というのは人がいなくなると、
なぜこうも、急にボロボロになるのでしょうか。
なんででしょうか?
そう思いながらボクはズンズン進みます。
ありました。
鉄板です。
パンに使っていた鉄板を発見いたしました。
ボクは鉄板を1枚取ります。
ちょっと錆びておりますが、関係ありません。
これで、水槽の底が手に入りました。
ボクは鉄板を片手に外に出ます。
辺りはすっかり暗くなってしまいました。
街灯の明かりがボクの足元を照らします。
ボクは街灯の光に集まる蛾を見つめます。
後悔が残りました。
「入るんじゃなかった・・・」
パン屋に入ったことを、
ボクは、後悔しています。

パン屋

パンを焼く

鉄板がある

水槽の底に使える

たかが鉄板1枚のことに、
ボクは、後悔しております。
なぜなら、ボクの自転車が無いからです。
ココに止めていた自転車が、
無いのです。
鉄板の冷たさが手のひらに伝わり、
ボクは家路を急ぐのです。