132日目 子犬


何日か前から、子犬をよく見かけます。
首輪もなくウロウロしております。
どうやら、となりの犬の子供みたいです。
以前、なめくじ軍団を
フガフガッ
といって半分ぐらい食べた、あのばか犬です。
その子供がウロウロしておるのです。
そしてそのウロウロついでに、
裏庭の水槽を前足で
ガリガリ
とか、しています。
ボクは子犬を追い払おうと、
足と両手をバタバタさせて、
「しょっ!」
と叫びます。
子犬は、ボクに気づいて
しっぽを振ります。
「ちがう! しょっ!」
とボクは両手をバタバタさせて叫びます。
子犬は、しっぽというより、尻ごとフリフリさせて喜びます。
ボクは、子犬を追い払うのをあきらめました。
そして水槽をかかえ上げます。
やっぱり部屋に戻します。
なぜなら、子犬に襲われるからです。
「やさしいじゃねぇの」
とか思うやろ?
いや実は、もうこれ、カラカラなんですよ。
外はやっぱりスゴイです。
乾燥スピードがね。
土とか固まっていますよ。
はたして、ヘルメットとベルは生きておるので、
ガブッ
噛んだね。
犬が足を噛んだね。
子犬と思って甘く見たらいけません。
首を横に曲げて、
アキレス腱に食いついております。
ボクは、このまえ買ってきたサンダルを
裸足ではいています。
子犬は直接、アキレスに喰いついております。
いっちょまえに、
「ガルルルッ」
とか言っています。
ボクは水槽をかかえているので、
両足は踏ん張っております。
その足に、ただいま攻撃中です。
ボクはゆっくりと水槽をおきます。
熱帯魚の水槽を持ったことがある人はわかると思いますが、
けっこう重たいんですね。
中に砂とか入ってると。
「ガルルルッ」
ボクは、両手で子犬の口をつかみます。
上アゴと下アゴをガッチリつかみます。
「ガルルルッ」
ボクは、万力パワーで子犬の口を開きます。
子犬の歯ぐきが、めくれ上がります。
こうして牙を見ると、さすがに野生を感じます。
舌がボクの指をまさぐります。
「フンガ、ファンガッ」
とか言っています。
手をはなします。
カポッ
と、マンガみたいな音がします。
「キュンキュンッ」
口をはずすと、
急に子犬のかわいらしさを演出します。
その場で、自分のしっぽを追いかけて、
クルクル回ったりします。
ボクは、それを見て、
鼻の下を指でこすりながらニッコリ笑いました。
「くさっ!」
くっせーのよ。
指が。
犬のツバよ。
・・・・。
かんべんしてくれよ。