135日目 両手につかむもの


日が長くなってきたので、
ボクは明るいうちに、近所の竹やぶに入ります。
なぜなら、暗くなると作業しにくいからです。
この竹やぶは、廃墟となった家の庭です。
家はとても小さいのですが、庭は広いです。
塀も壊れているので、入りたい放題です。
ガサガサ、バリバリ。
とかいって、ボクはどんどん進みます。
お!
ボクは、手ごろな太さの竹を見つけました。
直径3センチぐらいです。
ボクは軍手をつけます。
なぜなら手に、すい針が刺さると痛くてたまらないからです。
そんなのは、ぜったいイヤですね。
ボクは、ポケットからカッターを出します。
竹を切ります。
ボクは、
竹の根元を狙ってカッターをがむしゃらに叩きつけます。
そして、ひたすらに突き刺したりします。
2分ぐらいたちました。
「ぜんぜん切れん・・・」
この瞬間ボクは、ノコギリを持ってこなかったことを
非常に残念に思います。
ボクは、蹴ります。
竹やぶの中で、狙った竹めがけて、
とんぼの長渕キックをお見舞いします。
バキッ!
メキッ!
でも、とんぼの長渕の動きは、
竜二という映画の動きにそっくりなので、
ボクは、とんぼの長渕はパクっていると思います。
バキッ!
メキッ!
竹の根元がささくれ立って、折れ曲がりました。
ボクは、ふたたびカッターで挑戦します。
ジャギ、ジャギ。
ジャギ、ジャギ。
「ふぅーー」
切れました。
竹、切れましたよ。
ボクは、竹やぶから竹を持ち出します。
そして、1メートルぐらいの所をふたたび、
とんぼの長渕キックします。
バキッ!
メキッ!
でも、やっぱり、とんぼの長渕は
竜二をパクってると思います。
バキッ!
メキッ!
ボクは、またカッターで削ります。
えんぴつを削る感じです。
ジャギ、ジャギ。
ジャギ、ジャギ。
「ふぅーー」
切れました。
竹、切れましたよ。
ボクは、
1メートルぐらいに切った竹を持って満足します。
残った竹は、竹やぶに、力まかせに放り込みます。
力まかせに、やさしく放り込むのです。
なぜなら、キャッチ&リリースだからです。
必要なものだけ精神です。
自然にやさしいのです。
ボクは、
1メートルぐらいに切った竹を持って帰ります。
そして両手でしっかりと竹を持ってみます。
ぐいぐい曲げてみます。
頑丈でなければならないのです。
竹はびくともしません。
思ったとおりです。
ボクの思ったとおりです。
ボクは今、
竹を両手にしっかり持って見つめています。
これを取り付けるために見つめています。
ヘドロ号を・・・
そう、ハンドルの折れたヘドロ号を・・・
ボクはニヤリと口をよがませます。
「待たせたな」