136日目 未来へ


ボクはヘドロ号のハンドルを取り付けます。
ここでいうハンドルとは、
竹やぶから、もぎ取ってきた竹です。
竹ハンドルです。
ハンドルというからには、持ちやすく、
そして操作性にすぐれてなくてはいけません。
なぜなら、
コントロールできないとカーブとか曲がれないからです。
ボクは、100円ライターを出します。
点けます。
ジュボ!
ボクは、100円ライターで竹の真ん中をあぶります。
炎のススが付いて黒くなりますが、
かまわずドンドンあぶります。
こうやって火であぶり、曲げるを繰り返して、
持ちやすくするのです。
なぜなら、コントロールできないとカーブとか曲がれな、
「あつッ!」
ボクは、100円ライターを放り投げます。
熱ぃーぜ!おい!
ボクは、
100円ライターの回転する丸い金属の熱さにやられました。
右親指先端負傷。
ボクは、親指を水で冷やそうと思いましたが、
しません。
なぜなら、言うほど、ひどくないからです。
ボクは大げさなのです。
でも、熱いのはイヤなので、やり方を変えます。
ボクはジッポー持ってきました。
ジッポーです。
ジッポーライター。
風速50メートルに耐える。
とかいうキャッチコピーのライターです。
人から、もらったものです。
いや、正確に言うと、人が忘れていったものです。
ボクの目の前でオイルを入れて、
自慢していたライターです。
しかも、オイルも忘れていきました。
ボクは、ジッポーライターのフタを開けて、
火を点けます。
ジッポーライターを地面に置いて、
その上に竹をかざします。
ススで、かなり中心が真っ黒になります。
ボクは、ほどほどのところで、竹をググッと曲げます。
そしてまたすぐ、火であぶります。
思ったより竹はなかなか曲がらないので、
これを何度も繰り返すのです。
とか思っていると、
ジッポーの火、消えました。
オイルが無くなったようです。
そこでボクは、オイルを入れます。
でも、めんどくさいので、
ボクは竹にオイルをかけます。
そして、
さっき放り投げた100円ライターで火をつけます。
燃えます。
竹、燃えます。
青いです。
炎が青いです。
人魂のような感じの炎です。
だからボクは竹を持って、ゆっくり振り回してみます。
なぜなら人魂は、ただようからです。
ボクは、
「おもしれぇ」
とかつぶやきます。
ボクは、炎が弱くなってきた竹を地面に置きます。
その竹の弱々しい炎めがけて、オイルを
ぴゅーー
と、かけます。
なぜなら、もっともっとだからです。
すると炎が、
ぴゅーー
と出ているオイルを逆流してきました。
それはそれは、早いスピードです。
ボクは、まるで映画のようだ。
とか思うひまなく、慌てふためきます。
持っているオイルを放り投げます。
すると地面にもれたオイルにも引火。
ボクは、
「火事だ!」
とか心で叫ぶと同時に、
オイルを蹴飛ばします。
オイルは、くるくる回りながら道路の上をすべります。
それに青い炎が襲いかかります。
そして、その上を
ブイイ~~ん。
と走り抜ける軽トラ。
軽トラの車輪についたオイルと炎が、
スジを引きました。
バックトゥザフューチャーです。





(おんま)