137日目 フィーバー


ボクはコゲた竹を見ます。
どうしようかと思います。
前にテレビで人間国宝とかいうおじいちゃんが、
火で竹をあぶっているのを見ました。
ぐにゃぐにゃに曲がっていました。
竹。
なると思うよね。
そういうの見たら。
簡単そうにやってるし。
でもボクの竹は、真ん中が黒コゲになってるだけです。
まっすぐ、
です。
直線やね。
ボクは困りました。
これ以上は火をつかって出来ないのです。
なぜなら、軽トラ(デロリアン)のおっさんに、
しこたま怒られたからです。
軽トラ(デロリアン)のタイヤから炎のスジを出して、
未来に旅立ったおっさんです。
口の角にツバが溜まるほど懸命に怒っておりました。
ボクはそれを見て、
口角泡吹かし
とか思って、
「未来はどうでした?」
とか聞こうかと思いましたが、やめました。
これ以上、かんしゃくを起こされると面倒くさいからです。
とりあえずボクは、真ん中が黒コゲになった竹をつかみます。
黒コゲといっても、燃えたのはオイルなので、
この黒くなったのはススです。
だからススをきれいに取って元に戻します。
そこから再スタートです。
心も竹もキレイになっての再スタートなのです。
ボクは水で濡らした雑巾で竹をふきます。
コゲに水がつくと、
竹炭液のような、はたまた、
ジッポーオイルのようなニオイがします。
鼻につくニオイです。
ボクは、雑巾でふいてもニオイ以外、
ほとんど変化がない竹に、ガックリと肩を落とします。
竹、黒コゲです。
黒こげフィーバーです。