156日目 発泡大地


ボクは、部屋に発泡スチロールを広げます。
30cm×30cm(2枚)
です。
これは地面です。
ボクは発泡スチロール地面を作り出すのです。
この地面を水槽に入れて、
仮想空間を作り出すわけです。
そう、
ジオラマです。
「ジオラマって何よ?」
とか思う人いるよね。
ジオラマというのは、
大事件がおこった数時間後というのにもかかわらず、
精巧に作られてスタジオに置かれている模型のことです。
「早ぇーよ、NHK」
です。
だからボクは、自然を精巧に作るのです。
こうすることで、ヘルメットは楽しく生きることができるのです。
ボクは、はんだゴテをコンセントに差し込んであたためます。
はんだゴテが熱くなってきたらすぐ、
発泡スチロールに押し付けます。
ピチピチ
という音をたてて発泡スチロールが、
クレーターのように溶けます。
これを繰り返します。
そうすることで、
より自然な地面を演出することができるからです。
ピチピチ
発泡スチロールは溶けます。
ピチピチ
・・・・。
ピチピチ
・・・・。
めんどくせぇ・・・
ボクはそう思えてきました。
それに時間がムダのように思えてならないので、
ボクは、短時間で地面を作ります。
発泡スチロールを持って外に出ます。
そしてボクは、灯油を持ってきましたよ。
ストーブに入れる灯油です。
これを発泡スチロールの上にかけます。
ドプドプドプッ
けっこうかけます。
ドプドプッ
かなりこぼれて広がっておりますが、
ボクはそんなこと、ぜんぜん気にしません。
そしてすぐ火を点けます。
なぜなら、すぐに火を点けないと、
蒸発してしまうからです。
灯油は、揮発性が高いのです。
シュぼっ。
ボクはライターで火を点けました。
そしたら、
一気に来たね。
ボクは、ちょっとのけぞったりします。
50センチぐらいの高さの火が燃えております。
そして、あまりにも火の勢いがいいので、
ボクは、燃える発泡スチロールに水をかけます。
ちょっと怖くなってきたのもあります。
ふだん見たことのない炎を見ると、
人は臆病になるのです。
動物の本能です。
だから水かけます。
ジャぱっ。
すると、
2メートル。
そう、
2メートルの火柱が目の前に完成。
燃えている灯油に水をかけると、
より燃え上がるのです。
「ウソつけ」
とか思うやろ。
いいや、あれは絶対2メートルはあったね。
だって、前髪ちょっとこげたからね。
そしてボクは、
火事にならなくてよかったなぁ、
と思いました。





(たろー )