188日目 さがる


さぁ今日はブロックを見に行きますよ。
ブロックをひっくり返すとウジャウジャいるはずです。
ナメクジがね。
ボクは高まる期待を胸に、
いざ、聖なる土手に向かうの、

ヴィィーーん!

ヒゲ剃りね。
電気ヒゲ剃りの音ね。
別に、そんなにヒゲが伸びているわけではありません。
ただ、電気ヒゲ剃りの充電完了ランプが点灯していたので、
使ってみるのです。
きれいに洗って充電しているので、
心地よい一発目は早く使ってみたい精神です。
ボクは、鼻の下の上唇部分を集中的に攻撃します。
なぜならこの部分以外はあんまりヒゲが生えな、

ビッ!、、!!

止まりました。
充電完了なのに、
電気ヒゲ剃りは止まりました。
と同時に鼻の下の上唇に襲ってくる激痛。
電気ヒゲ剃りは、そんなに伸びていないヒゲに、
からまって食い込んでおるのです。

皮膚から伸びたヒゲは、わずか数ミリです。
そんなにヒゲが濃いわけでもありません。
にもかかわらず電気ヒゲ剃りは、
わずか数ミリのヒゲに食い込んで離れません。
ボクは激痛に耐えながら、ゆっくり手を離してみます。
なぜなら、電気ヒゲ剃りが、ぶら下がるかもしれないからです。
わずか数ミリのヒゲに、ぶら下がるかもしれないからです。
これは、やってみる価値があります。
それに、こんなチャンスはもう無いかもしれません。
ならば、絶対にやるべきです。
だからボクは、ゆっくりと手を離してみます。
電気ヒゲ剃りが自らの重みで、沈みはじめます。
と同時に、上唇も伸びはじめます。

な、なんてことだ!
人間の上唇はこんなにも伸びるのかァ!

というぐらいに上唇が長くなります。
もちろん痛さも倍増します。
だけど、もしかしたら電気ヒゲ剃りが、
わずか数ミリのヒゲにぶら下がるかもしれないので、
これぐらいの痛さは耐えなければいけません。
未知の回答を得るには、
それ相応のリスクが必要なのです。
そしてその回答は、
電気ヒゲ剃りから、手が完全に離れたときに分かるのです。

ボクは高まる期待を胸に、
いざ、聖なるプロジェクト、
電気ヒゲ剃りがぶら下がんのか!チャレンジに挑むの、

ゴカッ!

ヒゲ剃りね。
電気ヒゲ剃りが落ちた音ね。
と同時に、最高潮の痛みが鼻の下の上唇に訪れます。
ボクは、鼻の下の毛穴に点々と赤く記される出血を、
鏡で確認しながら思いました。

電気ヒゲ剃りを洗ったら油は注しとかなダメやね。